角田分 オフィシャルブログ

傷病越夏個体のラブリング行動の意味合いは?

 怪我や病気で故郷のロシア極東に帰ることの出来ない所謂傷病越夏個体の白鳥達のことは何度かこのブログでも取り上げてきました。でも、いろいろな状況でのラブリング行動を観察するにつれてどう解釈したら良いのか、どう考えるべきだろうかとどんどん不可解な世界に吸い込まれていくような感じがしてならないのです。
 特に現在主として観察している御幕場大池(村上市)の傷病鳥のことをこれから述べるが、これが本当の姿なのだろうかと考え込んでしまう。
 御幕場大池は、池の南側に家庭用配電の電線が張られていて、ねぐらに帰着しようとして電線に接触し救護所に収容されていった白鳥も目撃している。この池でつい最近(2018年3月23日)確認した傷病白鳥は、オオハク6羽、コハク3羽の計9羽です。そのほとんどが翼を損傷して飛翔できないものでした。

 観察事例1 傷病(右翼欠損)越夏個体への戻りラブリング 

DSC_4581 c480
写真1 戻りラブリング(右 右翼欠損コハク)

 この事例については、私の一連のブログのNO.105とNO.115にも取り上げましたので、その詳細についてはそちらをお読み下さい。要するに、この池に傷病鳥として越夏していたコハクの所に一度ロシア極東の繁殖地周辺まで戻ったと思われる連れ合いと思われるコハクがその年の秋に日本に渡って来ました。そして一緒に飛び立てなかったつがいの相手と思われる傷病コハクの所に戻って来て2016年2月17日に、ラブリング行動をしたということです。
DSC_4568 c480
写真2 右翼欠損コハク(右)のビルパターン確認用

 これを観察した時には、白鳥はつがいの一方が亡くなるまでつがい関係を維持継続すると言われてきたことが本当だと実感しました。その一端を実際に観察した者として、一つの感慨の年念を持ちながらブログを書いたものでした。しかしその後は、自由に飛び回れるつがいの一方を観察したり、この傷病コハクとのラブリングをも見ることは一度もありませんでした。渡りの途中で不慮の事故で命を落としたのか自由に飛び回れる別のコハクとつがいを組んで生きているのかも分かりません。恐らく別の個体とつがいを組んで子育てをしているのではないかと思っています。
 ただ、この池で通年を過ごさざるを得ない傷病コハクは、飛び出すことも出来ない一種の閉鎖空間的生活ではないかと思っています。この傷病越夏コハクが置かれた状況は、また空へは絶対的に飛び出せないという絶望的な状況と全く同じではないかと考えられないでしょうか。このような状況に置かれた白鳥が9羽居るのです。小さな空間ですから周囲のネコを始めとしたタヌキやキツネの獣類からも自分の身を守らなくてはならないのです。オオハクやコハク等と言っていられないのかも知れません。ただ1つだけはっきりしているのは、あの戻りラブリングをしたコハクはもう戻っては来ないだろうと言うことです。別な見方をすれば、本当は戻りラブリングがなかった方が、この傷病コハクにとって、ある意味あきらめもついたのではないだろうかと思ったりもしています。

 観察事例2
オオハク標識鳥00655と右翼欠損コハクとのラブリング行動

DSC_1620 c480
写真3 右翼欠損コハク(左)と標識鳥00655オオハク(右)のラブリング

 2017年10月18日この2017シーズン最初の御幕場大池の白鳥観察に出かけました。2017年の春以来の観察なので、傷病鳥達の状況も確認しました。ほぼ春の状況と変わらない状況だったのですが、一つだけ気がついたのは、ショルダータイプの発信機を付けたオオハクチョウがいるということでした。村上市在住の知人にそのオオハクのことを尋ねたら、春の頃からここにやって来て、越夏もしたということで脚環もついていると言うことでした。このタイプの発信機の白鳥は初めてで、脚環はついているようですが、首輪は落下したのかも分かりませんが、ついていませんでした。
 2017シーズン初の観察なので、この池で越夏している傷病鳥の羽数や状況を確認している途中で、エッ!と思われる行動を確認しました。それは2016年2月17日に戻りラブリングを受けていた傷病コハクとショルダータイプの発信機を付けたオオハクとのラブリング行動でした。写真3を見ると分かるように左の右翼欠損コハク個体のビルパターンを確認すると写真2の右個体と同じことから同一個体だと識別が出来ました。また右側のオオハクは、体の大きさとUBPの形状でオオハクと識別でき、首のつけ根と翼の間に筒型のショルダー型の発信機を装着していることも分かりました。
 ラブリング行動という行動は、一方の白鳥だけが行おうとして行動してもそれを受ける白鳥がそのラブリング行動を受ける行動を起こさなければ成立しない行動だと考えています。とすればこの傷病コハクと発信機付きオオハクの双方がラブリングという行動を起こそうとその意思が一致したことになると思います。
 異種であるオオハクとコハクがラブリング行動をし合うということはこれまでも何度も報告があります。またこの池の他の傷病コハクと傷病オオハクがラブリング行動をしていることも観察しています。ですからコハクとオオハクがラブリング行動をすることは勿論あり得ることです。したがって一般論として、この傷病コハクとオオハクがラブリング行動をすることは何ら問題になることではないのです。何故ここで驚きの思いでこのラブリング行動を取り上げたのかというとこの傷病コハクは、一年前の2015シーズンの後半の2月に以前のつがい相手だろうと思われるコハクとラブリング行動をしていたのです。付け加えていえば2016シーズンの10月~3月の観察においてこの傷病コハクのラブリング行動は観察していません。 この傷病コハクは、2015年3月からのこの池での越夏個体でもあります。また脚環番号00655の標識オオハク個体も2016シーズン末からこの池での越夏個体です。夏の期間にどのような経緯があったかも分かりませんが、2017年10月18日には異種白鳥のラブリング行動を観察したのです。傷病コハクのつがい相手と思われるコハクのその後の飛来は恐らくなかったものと思われます。そのためにこの右翼欠損のコハクが、異種間でのラブリング行動をするようになったのでしょうか。
 白鳥の生態では、白鳥は一度結んだつがい関係を相手が亡くならない限り解消しないとも言われています。このことの見直しが必要なのでしょうか。あるいは、ラブリング行動の意味合いをどう捉えるかの再考慮の必要性があるのでしょうか。
 
 この00655のオオハクとこの傷病コハクについてはもう少し気になることもあるのです。
 2017年10月18日にこの傷病コハクとのラブリング行動を観察後に、この池で観察を続けていると00655のオオハクについて2つの重要なことが分かりました。1つは、この標識オオハクは飛翔ができるということです(写真4)。
DSC_2244 c480
写真4 飛翔する00655のオオハク

2つ目は、標識オオハクの連れと思われるオオハクがいて、その個体は若干飛翔は出来るが、池の外に飛び出せるほどの飛翔力はないようだということです。この標識オオハクには、連れ合いと思われる同種の個体がいて、その個体が飛翔できないためにこの池で越夏していたらしいのです(写真5)。
DSC_2097 c480
写真5 標識鳥の連れ合いと思われるオオハク(後方)

 連れ合いらしい相手がいても異種である傷病コハクとラブリング行動をするということは、どういうことなのだろうか?ということにもなるのです。
 本当にラブリング行動の持つ意味合いをもう一度考えてみる必要があるのでしょうか。
 この池にはオオハクコハク合わせて10羽近くの白鳥が1年中生活しています。それでもラブリング行動をするのは、前述した傷病コハクと傷病オオハクの一緒に行動している2羽だけでした。それに加えて今回の標識オオハクと傷病コハクの2羽がラブリング行動をするということになります。年間を通してこの池で生活している白鳥達でもラブリング行動の交わし合いを観察できるのはこの4羽だけです。特別な意識が働いている関係なのでしょうか。

観察事例3
 オオハク標識鳥00655と右翼欠損コハクとのラブリング行動と
 その直後の標識オオハクとその連れ合いのオオハクとのラブリング行動


 2018年3月23日 終の写真展も終わって久しぶりにゆっくりした気分で御幕場大池での白鳥観察に出かけた。前回ここで観察したのは3月11日だったので、相当数の白鳥の北上飛去がもう行われたのではないだろうかと思いながら訪ねた。池に到着したのは12時30分近くだったので、池にはいつもの傷病白鳥を中心に12羽の白鳥がいるだけだった。例の通りに傷病白鳥を1羽ずつ確認したが、傷病鳥ではないが、標識鳥0065のオオハクの姿が見えない。3月11日には確認できたのに、北上飛去したのだろうか?それとも落鳥?水田採食に出かけた?いろいろ考えたが、確認できないのだからどうにもならない。
 夕方17時42分になりようやく採食から戻って来る白鳥の姿が見え始めた。17時52分少し低い高度で鳴きながら池に戻って来る白鳥を観察した。よく見るとショルダータイプの発信機を背負っている。あの00655の標識オオハクだ(写真6)。
DSC_3028 c480
 写真6 採食から戻って来た00655の標識オオハク

 まだこの池にいたのだ。着水と同時に白鳥が鳴き交わす声が聞こえてきた。ラブリングが行われる時の鳴き交わしのようだ。その様子をカメラで追跡観察していると池の南側で給餌されている餌を食べている集団の中から着水した白鳥へと一直線に水面を進んでいる個体を発見した。勿論00655のオオハクも鳴きながらその白鳥へと近づいていく(写真7)。
DSC_3061 c480
 写真7 ラブリングへの姿勢で移動するオオハク

DSC_3069 c8480
 写真8 近寄る右翼欠損コハクと標識オオハク

 やはりラブリング行動だ。標識白鳥は、頭部を曲げてハート形を、南側から近寄る個体は激しく鳴きながらビルアップ形のラブリングをして近づいた(写真9)。
DSC_3081 c480
 写真9 コハク(左)とオオハク(右)のラブリング

 そのラブリングの後で南側から近づいて来た白鳥は、羽ばたき行動を始めた。その個体をよく見ると右の翼が無い(写真10)。
DSC_3135 c480
 写真10 羽ばたく右翼欠損のコハク(左)

 あの右翼欠損のコハクのようだ。自宅に戻ってから右翼欠損の個体のビルパターンを確認すると前述してきた右翼欠損のコハクだと明確に同定できた(写真11)。
DSC_3166 c480
 写真11 ビルパターンで同一個体と同定

 採食から戻って来た標識オオハクに対して、激しさを感じるようなラブリング行動を見せた。帰宅してその時間経過を見てみると約1分間に渡るラブリングであり、その間何度も激しく鳴き交わしている様子も写真に収められていた。右翼欠損のコハクがまるで「どこへ行っていたのよ!」とでも怒っていると感じるほどの激しいラブリングだったような気がする。他の白鳥が2羽に近づいていく様子が感じられたためか2羽は離れた。ラブリングを邪魔するような行動の白鳥とは別の1羽の白鳥が近づいていって、標識オオハクとラブリング行動をした(写真12)。
DSC_3190 c480
 写真12 直後に別の個体とラブリング行動

 どうやらこの標識オオハクとつがい行動をしているオオハクらしい。オオハク同士のラブリングでも2回ほど首を曲げたハート形のラブリング行動を観察した(写真13)。まだこの池にこの標識白鳥とつがい行動をしているオオハクが残っているようだ。
DSC_3193 c480
 写真13  連れ合いと思われるオオハクとラブリングする標識個体 

 でもこの00655の標識オオハクは、採食から戻って来て最初に右翼欠損のコハクと少し激しさを感じるラブリング行動をして、その直後に元からの連れ合いと思われるオオハクともラブリング行動をした。この行動をどのように解釈したら良いのだろうか。それと同時にこれまで述べてきた3つの観察事例をどのように解釈すべきだろうか。確かに越夏個体同士という特殊な環境におかれている白鳥だが、種を越えてのラブリングとほぼ同時に同種間のラブリングをも同じ個体が行うというのはどのように解釈すべきだろうか。

 飛翔できないオオハクとコハクが、同じ湖沼で越夏せざるを得ないという閉鎖空間での異種間のラブリング行動と同種間のラブリング行動が同居している。ラブリング行動って本当にどんな意味合いがあるのだろうか。つくづく考えさせられてしまいました。
スポンサーサイト

最上川河口の白鳥の北上飛去は まだのようです

DSC_1835 B
 写真 1
 上の写真1は、今朝2018年2月26日6:35の最上川スワンパークの白鳥達の様子を写したものです。ほとんどの白鳥がまだ休息中か、やっと目覚めた白鳥が少々見られるという程度です。
 実は、ここ数日、太平洋側の宮城県や岩手県から白鳥の北上飛去が真っ最中だとか、もう白鳥がいなくなったようだとかのメールが下のような写真と共に届いているのです。下の写真2は、宮城県の白鳥ウォッチャーの木村江里氏から届いたもので、北上川がこんな状態ですというものでした。
北上川の白鳥 B
 写真 2 北上川の白鳥 木村江里氏撮影

もう2月も終わりですから当然かなとは思っていたのですが、こっちの方は、明日からの『終の写真展 角田分 白鳥の生態を追う』の準備もどうやら終わって、やっと一息という所なのです。でもそんなメールや写真が届くとじっとしてはいられない性格で、お尻に火がついたみたいな感じで今朝出かけてみたわけです。確かに2016白鳥シーズンの2月28日からは鳥海山西側で白鳥の北帰飛去の様子を数日間定点観測していたのですから、日本海側でも白鳥の北帰飛去はもう始まっていておかしくないのです。でも種類は、今年の大雪で水田は雪が多く白鳥はまだ畦道採食裁食をしている状況なのです。でも明日から写真展で1週間は動きが取れないことになるのでその前の白鳥達の様子を観察に行って来たのです。最初の写真と下の写真3と4 の2枚の計3枚の写真を見てみて下さい。
DSC_1830 B
 写真 3 最上川スワンパークの今朝6:35の白鳥
DSC_1842 B
 写真 4 最上川スワンパークの今朝6:35の白鳥

 白鳥達が北上飛去をする時の動きは全く感じられないでしょう。白鳥達の北上飛去が始まると日の出と共に水浴びを盛んにする白鳥や水面を動き回る白鳥が多くなり水面上が賑やかになるのです。でも今朝のこの写真からはまだ厳冬期の日の出の時間はほとんどの白鳥は、休息していると同じ状況です。
 ちなみにスワンパークより上流の白鳥のねぐらの様子も観察してきました。その様子が写下の真5,6です。
DSC_1878 B
 写真 5 両羽橋上流のねぐらの白鳥 今朝6:49の白鳥

DSC_1884 B
 写真 6 両羽橋上流のねぐらの白鳥 今朝6:54の白鳥

上流のねぐらでもほとんどスワンパークと同じ状況です。ようやく目覚めはしているが、水浴びをする白鳥も動き回る白鳥もこの時間ではほとんど見られませんでした。
 ですから、太平洋側で最盛期になった白鳥達の北上飛去もここ日本海側の最上川スワンパークではまだその動きが見られないということになると思います。もちろん天気予報では、庄内地方でも今日1日は晴天が続くとのことです。そろそろ始まるかとは思いますが、今日の所その動きは感じられないようです。明日から北上飛去が始まるのかな?

 明日の午後から3月4日のお昼12時まで『終の写真展 角田分 白鳥の生態を追う』が始まりますが、東京や埼玉県、それに長野県、仙台、新潟県から是非見に行くとのメールや電話もいただいていますが、まだ冬道ですので場所によってはまだ凍結している所もあります。くれぐれも交通安全にはお気を付けになりお出かけ下さい。会場でお待ちしております。

終の写真展 角 田 分 白鳥の生態を追う を開催

 の写真展  角 田 分  白鳥の生態を追う  を開催します。
写真展 案内葉書 ブログ用
 写真1 案内ハガキです。 日の出と共に宗谷丘陵上空を北上飛去する群れ

 本当に長い間ブログを休載して申し訳ありません。実は10月から上記の『終の写真展 角田分 白鳥の生態を追う』のネガ選びから写真展の構成と写真の印刷等を行っていたもので、ブログの方に手が回らない状況でした。本当に申し訳ありませんです。
 写真展の方もほぼ準備が整い、開催できると確信できる所まで来ましたのでお知らせ致した次第です。終の写真展は、下記の要項で開催します。よろしかったら是非足をお運び下さい。会場でお待ち致しております。

終の写真展 角 田 分 白鳥の生態を追う
期 日 2018年2月27日(火)~3月4日(日)
時 間 午前9:00 ~ 午後5:00 まで
     但し 27日は午後1:00から 最終日4日は12:00迄
場 所 酒田市美術館 市民ギャラリー
入場料 無料(但し 美術館の展示品を鑑賞の方は入館料が必要になります。写真展の方は、無料で鑑賞できます)
展示作品 A1版写真 23点 A2版写真21点
全紙版写真28点    合計 72点

写真展 案内葉書 6 一般用
 写真2 案内ハガキです。 日の出前に鳥海山の上空を北上飛去していく群れです

 これまで県内を始め全国各地で『白鳥の生態を追う』という標題で写真展を開催してきましたが、その回数も今回で10回目となります。それで年齢的なこともあり、これからはもっと楽しみながら白鳥の生態を追っかけていこうと言うことで『終の写真展』と名を打ったわけです。これまでの写真展は、全紙版と半切版の写真がほとんどでした。今回は終の写真展ということもあり、より大きなスケールで生活している白鳥達の姿を直に感じて頂きたく、A1版(91cm×60cm)の写真も展示します。もちろん生態を追うと名を打った写真展でもありますので白鳥達の生態の一瞬を捉えた写真も展示します。また最後の写真展でもありますので、風景の中での白鳥達の姿を捉えた写真も展示させていただきます。またオオハクチョウとコハクチョウの識別点でこれまで活用されなかった識別法についても写真を使ってわかりやすく(自分では)説明を試みたつもりです。 もっともっと多くの写真を展示したかったのですが、会場のスペースの関係で72点にさせていただきました。ただ1枚の写真に2枚を採り入れてプリントしたものもありますので、実質的にはもう少し展示写真は多くなっています。
 写真展が開催されている2月末から3月上旬は、例年通りだとちょうど最上川河口から白鳥達の北帰行が盛んに行われている時期でもあります。河口や庄内平野の白鳥達を探鳥がてら是非『終の写真展 角田分 白鳥の生態を追う』においで下さいますようにご案内申し上げます。写真展の期間、会場におりますので白鳥の生態のことで質問などありましたら、知っている範囲でお答えできると思いますのでどうぞお声がけ下さい。
   会場で お持ち申し上げております。
写真展 案内葉書 1 ブログ用
 写真3 案内ハガキです 脚隠し飛翔をするコハクチョウです

最上川に 今冬 白鳥の初飛来の続編

最上川に 今冬 白鳥の初飛来の続編 (10月6日分のブログ)

  昨10月5日夜9:30頃 毎年のことですが、南下飛来の白鳥群が我が家の上空を鳴きながら飛んでいきました。よく澄んだ月夜で雲もなく渡りに最適な夜だと思っていましたし、寒気が降りてくるということだったので飛来の予感はありました。それでも一昨日の10月4日に初飛来があったばかりなので随分早い我が家へのご挨拶だなあ~と思った所です。『来たぞ~』と挨拶してくれたのだから礼儀として朝になったらご挨拶に行かなければと思いながら床につきました。
 朝5:20分頃 最上川スワンパークに向かいました。スワンパークに着いてみるとスワンパークは4日の朝と同様に、白鳥は一羽も飛来していません。
『やっぱり最上川ジャングルパーク(あまりにも樹木が繁茂して来て手入れが全くなされていないために僕が名付けた名称です)は、夜間の初飛来時には舞い降りることが出来ないだろうなあ」と思いつつ4日に初飛来を確認した両羽橋上流の中州の地点に向かいました。
 案の定、遠くからでも白鳥がいることを確認できます。何と4日の朝よりももの凄く数が増えています。4日の初飛来群が34羽と2桁の初飛来でしたが、2桁台の初飛来はここ10年程見られなかった状況でした。クッチャロ湖からの4日の電話でも15羽という多くの初飛来が3日のにあったということでした。
 今朝6日の飛来数は、300~400羽程はいるようです。観察地点から中州は、樹木が邪魔をして全てを完全に見ることは出来ません。しかも今日は、中州の上流に延びている砂利だけの部分の水際だけに白鳥が見られます。スワンパークが樹木が繁茂して白鳥が舞い降りられないと同様に、両羽橋上流の中州でも植物が背丈が高くなっている部分や背の低い草が生い茂っている所にも今日は白鳥が着水していません。夜に飛来したこともあるためかやはり安全が確認できる場所を選んで舞い降りているようです。
10月6日の観察の様子です
AM5:46 
DSC_0445 c480
 写真 1 最上川スワンパークの今朝の様子

 最上川スワンパーク上流の通常は白鳥がたくさん見られる場所ですが、ごらんのような状況です(写真1)。昨夜、鳴きながら我が家の上空を飛来南下したはずの白鳥は1羽も確認できません。両羽橋上流を確認することにしました。

AM5:56
いましたいました。一昨日の34羽と比べものにならない程の数です。400羽位はいる感じです。岸辺の樹木で全体を見てカウントできるような状況ではありません。でも中州全体を見ても白鳥が着水している周辺には、草が生えていません。中州の下流部には、最高で1m程度の草が生えています。その下流部の草が生えている場所には、白鳥は一羽も着水していません(写真2)。
DSC_1034 c480
 写真 2 両羽橋上流の中州 (右側が下流部)

 先日にも述べましたが傷病越夏個体2羽の姿は中州最下流部にある砂地が見える場所には見えます。始めて飛来する白鳥達にとって草地は案外危険が潜んでいる場所に見えるのかも知れません。
 中州にいる白鳥達で、一昨日の初飛来群の様子と違うのは、4日の白鳥たちのほとんどが頭部や首を背中に入れて休んでいたのに、今日の飛来群のほとんどは首が上げられています。観察時刻はほとんど同じなのに休息しているような者は見られず、むしろ採食に飛び立とうとしている様子さえ窺えます。恐らく夜中の飛来だったので休息は十分に取ることが出来て、むしろ採食に飛び出そうとしているようです。中州のどこかから飛び立つ水音も聞こえて来ます。岸辺の樹木が邪魔をして詳細は確認できません。

AM6:08 
 上空から後続の飛来群が降下してきました(写真3)。カウントでは24羽のようです。
DSC_0490 c480
 写真 3 南下飛来の降下群

AM6:15
次々と白鳥が飛び立っていきます。60羽程の群れが飛び立って南西方向に飛去していきます(写真4)。
DSC_0527 c480
 写真 4 次々と飛び立っていく白鳥

 また5~6分間隔で10羽程度の群れが飛来します。多くは観察地点の上空後方の北西方向から飛来して来るのですが、中には最上川下流のスワンパーク方向から水平飛翔して来るものも時々見られます。恐らくスワンパークに着水しようとした群れが、白鳥が全くいないし、樹木が繁茂しているために上流部の両羽橋方向に飛翔してきたものと思われます(写真5)。
DSC_0551 c480
 写真 5 水平飛翔での南下飛来群
 
 飛翔してきた白鳥が上流の白鳥達の鳴き声や姿を確認して水平飛翔してきたのではないかと推測していますが・・・。この間にも白鳥達の飛去来がひっきりなしに行われています。

AM6:57
 頭上から南下飛来の少し大きな32羽の群れが降下してきました(写真6)。
DSC_0833 c480
 写真 6 上空からの降下群

 続いて少し東側の上空からも16羽南下飛来群の降下です(写真7)。
DSC_0889 c480
 写真 7 16羽の南下飛来群

 もちろん降下群を観察している間でも中州からは次々と群れが飛び立っていきますし(写真8)、
DSC_0729 c480
 写真 8 採食に どんどん飛び立っていく

中州にいる白鳥等も首を立ち上げて、準備が整えば今にも飛び立ちそうです。初飛来の時には飛来の疲れからかほとんど地面に座り込んで休息していましたが、今朝の段階では、いつも観察する渡りの時期の動きの気配が感じられるようになっています。
 昨日の日本白鳥の会のメーリングでも猪苗代湖で6日朝に49羽の飛来確認があったとのメールも来ていますし、伊豆沼でも6日に25羽のコハクの飛来が確認されているそうです。もう本当に白鳥の南下飛来が本格的に始まったようです。

最上川に 今冬 白鳥の初飛来

最上川に 今冬 白鳥の初飛来

 白鳥が飛来しましたので、僕のブログも活動再開始です。
今日2017年10月4日 午前6時20分頃 酒田市最上川のスワンパークよりも1000mほど上流で両羽橋よりもさらに上流500mほどの中州に24羽の白鳥が翼を休めているのを確認しました。

DSC_0423 c480
写真 1中州で休息する初飛来群 

 例年だとクッチャロ湖の方から初飛来の知らせがあり、それからほぼ4日後の10月4日が最上川では初飛来を確認できるという段取りなのです。でも今年はそのクッチャロ湖からの第1報を知らせてくれる方が、職場内の部署が変わったせいかまだ知らせがありません。でももう白鳥が酒田に飛来しても良い頃だと判断して観察に向かった所、案の定白鳥の初飛来を確認できました。
 今朝6時20分頃中州の上流部で翼を休めている群れを発見しました。中州もだいぶ拡大しているのですが、草の生い茂っていない礫だけの岸辺に休んでいました。以前から指摘していたのですが、最上川スワンパークは、ジャングルパークと言える程樹木が繁茂して着水するには危険が伴うのかも知れません。やはり飛来地の環境はきちんと手入れをしておく必要があるようにも思います(写真1)。
 その後6時36分に上空から白鳥の鳴き声です。確認すると10羽の白鳥と2羽の雁が降下してきました。雁はそのまま飛去しましたが、白鳥は中州周辺に着水して合計34羽です(写真2)。
DSC_0612 c480
 写真2 追従飛来の10羽とガン

 観察地点から中州まではとても離れていて、まず写真撮影をしてからプロミナーで識別確認をしましたが、頭部を背中に入れていない個体を確認した所、識別確認ができたものは全てコハクチョウでした。その内の1羽だけは色彩から幼鳥だと確認できました。その他の個体にも首の部分にだけ、まだ黒い羽根があるものがいましたので亜成鳥がほとんどだと思います。毎年そうですが、最上川での初飛来はコハクチョウで、幼鳥はほとんどいないか、確認できても1~2羽です。その事は以前から述べていることでもあります。
 もう1つこの初飛来の確認と同時に傷病越夏個体が1羽確認できました(写真3)。
DSC_0655 c480
  写真3 傷病越夏個体(右上岸辺)

 採食物の植物が多い夏は越すことが出来るのですが、これから来る冬が傷病越夏個体にとっては植物が枯れてしまって、命を繋ぐことが出来るかどうかの厳しい季節の到来ということになります。

プロフィール

最新著作

リンク

FC2Ad


本サイトに掲載されている画像等、全ての内容の無断転載・引用を禁止します。
Powered by ホームページ制作 Ca-style
Copyright © 角田分 オフィシャルブログ All Rights Reserved.